立憲民主党の落合貴之です。会派を代表して、政治資金規正法の再改正についての意見を申し上げます。
自民党派閥の政治資金パーティーの裏金問題をきっかけに、政治と金に対する国民の不信は深刻なものになりました。再発防止と国民の政治への信頼回復に向け抜本的な政治資金規正法の改正が求められてきましたが、第二百十三回通常国会で成立した政治資金規正法の一部を改正する法律案は抜け穴、先送りだらけで、国民の期待に応えるものではありませんでした。先般の総選挙によって与党が過半数割れという結果になったことからも、こうした政治と金の問題に対する民意を踏まえ、真相解明とともに実効性ある再発防止のため、そして何よりも国民の皆様の政治全体に対する不信を払拭し信頼を回復するとの観点から、政治資金規正法の抜本的な再改正を行わなければなりません。
今回の再改正すべき第一は、政策活動費の完全廃止です。政党が党の幹部等に対して支出する政策活動費は、最終的な使途の報告義務はなく、表に出ない金、裏金の温床として問題になってきました。政治資金の透明性向上を図るため、渡し切りの方法による経費の支出を例外措置を設けることなく全面的に禁止するべきです。
第二は、金の大きさに左右される利益誘導政治からの脱却です。これまでも、多額の企業・団体献金が腐敗や癒着構造の温床となり、政策決定をゆがめてきました。この問題を変えていこうという平成の政治改革、この三十年間残されてきた宿題である政党に対する企業・団体献金を禁止しなければなりません。
第三は、政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、ガラス張りの政治を目指して政治資金の透明性、公開性を高めることです。
秘書や会計責任者に責任を押しつけて罪を逃れるのではなく、代表者にも収支報告書の記載、提出義務を負わせて、政治家本人に共同責任を問うことができる仕組みをつくるべきです。さらに、全ての国会議員関係団体、政党及び政策集団、派閥の政治資金収支報告書を検索可能な形でデジタル化し、デジタル化を前提に政治資金収支報告書の公開時期も早めるべきです。また、内容を検証しやすくするため、政治資金収支報告書等の保存期間を三年から七年に延長するべきです。
第三者によるチェックを強化するため、登録政治資金監査人による外部監査の範囲を拡大するとともに、支出だけでなく収入についても対象とするべきです。あわせて、いわゆる国会事故調を参考に、政治資金問題に関する調査及び政治資金に関する政策提言を行う第三者機関の設置についての検討も進めるべきです。
また、国会議員関係団体から寄附を受けた政治団体の収支報告について、厳しい支出規制の適用を逃れてきたいわゆるその他団体方式の抜け道も塞ぐべきです。
第四に、政治資金及び政治団体の世襲の禁止です。候補者間の公平を期するとともに、多様な人材が政治の世界に参入する機会を保障していくため、国会議員に係る政治資金及び政治団体の親族への引継ぎを禁止するべきです。
最後に、今回の再改正議論は、国民の皆様の期待に応えられるかどうかのラストチャンスです。熟議と公開の精神で与野党の真摯な協議を行い、国民が納得し共感する、政治不信の根を絶つだけの実効性ある再発防止策を確立しようではありませんか。
立憲民主党は本気の政治改革を断固実現していく、そういう決意であることを申し上げ、意見表明を終わります。ありがとうございました。