ただいま議題となりました四法律案について、それぞれ提出会派を代表して、提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
まず、立憲民主党・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ、日本共産党、参政党、日本保守党共同提出の政治資金規正法の一部を改正する法律案、いわゆる政策活動費廃止法案につきまして御説明いたします。
自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件に端を発し、政党が党の幹部に対して支出する、使途が不透明な政策活動費が政党の裏金として問題になりました。
政党から政治家個人への寄附は禁止されましたが、当該政治団体の役職員、構成員に対する渡し切りの方法による経費の支出として行われるケースが抜け穴になっています。政治に対する国民の信頼の回復を図るため、渡し切りの方法による支出の禁止等の措置を講ずることにより、いわゆる政策活動費を禁止する必要があります。
以下、本法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
この法律案においては、政治団体の経費の支出は、当該政治団体の役職員又は構成員に対する渡し切りの方法によっては、することができないこととし、いわゆる政策活動費を全面的に禁止しております。
続きまして、立憲民主党・無所属、日本維新の会、参政党、日本保守党共同提出の政治資金規正法の一部を改正する法律案、いわゆる政治資金世襲禁止法案について御説明いたします。
世襲については、いわゆる地盤、看板、かばんの面で、非世襲候補に比べ有利な環境にあります。立候補の自由は国民の権利ですが、世襲候補が有利な環境を放置すれば、多様で新しい人材に対する門戸は必然的に狭まり、多様な民意が政治に反映されなくなることも問題です。候補者間の公平性を確保するため、政治資金及び政治団体の世襲を禁止する必要があります。
以下、本法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
第一に、国会議員に係る公職の候補者が、当該公職の候補者でなくなったとき又は死亡したときは、その候補者の配偶者又は三親等内の親族は、当該国会議員関係政治団体の代表者となることができないものとすることとしております。
第二に、国会議員関係政治団体は、当該国会議員関係政治団体に係る公職の候補者の配偶者又は三親等内の親族に対し、寄附をすることができないものとするなどとしております。
続きまして、立憲民主党・無所属、有志の会、参政党共同提出の政治資金規正法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案、いわゆる企業・団体献金禁止法案について御説明いたします。
企業・団体献金は、一九九四年に成立した政治資金規正法改正でまず政治家個人に対するものが禁止され、二〇〇〇年には政治家の資金管理団体に対するものも禁止されました。しかし、政党への献金が引き続き認められたことから、政党支部経由の献金がまかり通ることとなりました。企業・団体献金の全面禁止は三十年近くの懸案となっており、国民の政治に対する信頼を回復するためにも、今こそ資金力に物を言わせて政策決定をゆがめる企業・団体献金を禁止し、個人献金中心に移行していくべきであると考えます。
以下、本法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
第一に、企業その他の団体が政治活動に関する寄附や政治資金パーティーの対価の支払いをすることについて、全面的に禁止することとしております。
第二に、政党及び政治資金団体以外の政治団体間における政治活動に関する寄附について、同一の政治団体に対する量的制限の上限額を、現行の五千万円から三千万円に引き下げることとしております。
第三に、企業その他の団体は、その役職員又は構成員に対し、雇用その他の関係を不当に利用するなどして、政治団体の構成員となることを勧誘し、政治活動に関する寄附等をさせてはならないこととしています。
第四に、個人のする政治活動に関する寄附の税額控除の対象について、所得控除と同様に、国会議員、都道府県の議員、知事、政令指定都市の議員、市長に係る候補者の資金管理団体にまで拡大するとともに、税額控除率も引き上げるものとしております。
最後に、立憲民主党・無所属提出の政治資金規正法等の一部を改正する法律案、いわゆる政治資金透明化法案について御説明いたします。
政治資金規正法は、大きな政治腐敗、汚職事件を契機にこれまで何度か改正を重ねていますが、それでも抜け穴だらけの法制度であると指摘され続けています。何よりも国民の皆さんの政治全体に対する不信を払拭し信頼を回復できるものとするためにも、国民の不断の監視と批判の下で、政治家本人の責任を問うことができる仕組みを強化することや、ガラス張りの政治を目指して外部監査の拡充やデジタル化などを進め、実効性を高める必要があります。
以下、本法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
第一に、収支報告書の記載について、政治団体の代表者の責任を強化しております。
第二に、国会議員関係政治団体から百万円以上の寄附を受けた政治団体を国会議員関係政治団体とみなすとともに、政治資金監査の対象を拡大するなど、収支報告の適正の確保のための措置を講じております。
第三に、政治資金の透明性を高めるための収支公開の充実について、政治資金監査対象団体に対し収支報告書のオンライン提出を義務づけるとともに、インターネット公表の義務化や国会議員関係政治団体の収支報告書の一元的な閲覧、政治資金監査対象団体の収支報告書に関するデータベースの整備等の措置を講じております。
第四に、政治資金パーティーの規制強化について、オンラインパーティーを政治資金パーティーの定義に追加するとともに、政治資金パーティーの対価の支払いをした者の氏名等の公開基準を年間当たり五万円超に引き下げることとしております。また、外国人等からの政治資金パーティーの対価の支払いの収受を禁止することとしております。
第五に、公職の候補者が自ら代表を務める選挙区支部に対して行った寄附について、寄附金控除の特例等の適用を除外することとしております。
第六に、所属国会議員が政治資金規正法違反等により起訴された場合における政党交付金の交付の一部停止制度の創設のための措置が講ぜられることを規定しております。
第七に、政治資金に関する政策の提言、国会議員に関係する政治団体の政治資金に関する法令の遵守状況の監視や違反行為があった場合に勧告等を行う機関の国会への設置に関する検討等を規定しております。
以上が、四法律案の提案理由及びその内容の概要でございます。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願いいたします。