ありがとうございます。
これまで、医療の歴史を振り返ると、多くのイノベーションがあったと思うんですよね。例えば、ここ日本では、江戸時代に華岡青洲が世界で初めて全身麻酔で乳がんの手術をした。それ以降、世界中でいわゆる手術、難しい手術ができるようになったと思っております。そして、有名な話、フレミングは青カビからペニシリンを発見した、そして多くの感染症から命を守った、こういうイノベーションがあるんですが、今まさに取り組まれている医療DXというのは、それと同じぐらいのイノベーションになる可能性が十分にあると思うんですよね。
しかも、日本はよく高齢化先進国と言われますが、それは不名誉な称号のようにも聞こえますが、もしかしたら、この日本の医療DXが世界に先駆けて医療の世界に新しいイノベーションを起こす、私は、それぐらいの心意気を持って取り組むべきことだと思っております。
私、この政治の舞台に来るまで、選挙前、政治活動をしているとき、医師として政治活動をしていると、言われたんですよね。福田さん、医療を専門にしていても、政治というのは物すごく広い世界だから、医療というのは物すごく狭い領域でしょう、いい仕事できますかと聞かれたんですけれども、私は、医療というのは物すごく大きな領域だと思っているんですよね。それは予算規模でもそうです。医療は年間四十七兆円。私、教育は物すごく大事だと思いますけれども、教育は五・五兆円、国防も八兆円、公共事業も六兆円でしょうか。医療というのは物すごく大きな領域なんですよね。
でも、一方で、私、救急医として、ずっと政治をテレビで見ていて思っていたことがあります。それは、何でこの物すごく大きな医療が改革されないんだろうと思っていたんですよね。
救急医の前には、よくこんな患者さんが来ます。交通外傷で全身ぐちゃぐちゃ、命からがら。検査をすると、肝臓が真っ二つに割れてどぼどぼ大出血している、手の骨が折れて少し出血している、足の皮膚が切れてちょろっと出血している、こういう患者さんが来るんですけれども、この患者さんの命を救うために必要なことは、誰がどう見ても、真っ二つに割れている肝臓を止血してくることだと思うんですよね。
でも、救急医の目から今の日本の政治を見ていると、この四十七兆円という物すごく大きなバケツの穴があるのに、国葬で数十億円だとか、防衛費を増やすための一兆円をどうするかとか、もっともっと小さいひび割れの話をしていることもいっぱいあると思っております。
私は医療の専門家として、できる限りこの四十七兆円という大きなバケツの穴を適正に縫い合わせて、そして、それを本当に価値のある医療、一人一人の国民のお財布、企業のお財布、それにしっかり戻して、この日本を成長させる原動力にしたいと思っております。皆様と一緒に、この厚生労働委員会で一生懸命働いていきたいと思います。
今日はありがとうございました。