沖縄及び北方問題に関する特別委員会の開催に当たり、御挨拶申し上げますとともに、所信を申し述べます。
我が国を取り巻く安全保障環境は、戦後最も厳しく複雑な状況にあります。国家安全保障戦略の下、これまでの長きにわたる外交活動や経済活動の実績を糧に、危機を未然に防ぎ、平和で安定した国際環境を能動的に創出するため、外交と防衛を車の両輪として、総合的に外交、安全保障政策を進めてまいります。
中でも、日米同盟の更なる強化は最も重要な課題です。特に、在沖縄米軍を含む在日米軍の抑止力は、我が国、ひいては地域の平和と安全の確保のために必要です。こうした観点も踏まえ、今後とも米政府と緊密な意思疎通を行ってまいります。
在日米軍の安定的駐留には地元の御理解と御協力が不可欠です。部隊運用時の安全確保や事件、事故の再発防止を徹底するよう米側に引き続き強く要請してまいります。また、普天間飛行場の辺野古への移設を始め、沖縄の負担軽減に引き続き全力で取り組んでまいります。さらに、沖縄の国際化を支援するべく、国際社会で活躍する沖縄の人材育成に貢献してまいります。
尖閣諸島周辺の我が国領海における中国海警船の活動は、明白な国際法違反であり、断じて認められません。今後とも、我が国の領土、領海、領空を断固として守り抜くとの決意の下、冷静かつ毅然と対応してまいります。
同時に、中国とは戦略的互恵関係を包括的に推進し、建設的かつ安定的な関係を構築してまいります。
今なお続くロシアによるウクライナ侵略は、国際秩序の根幹を脅かす暴挙です。ロシアによる核の威嚇、ましてや使用は断じてあってはなりません。
侵略開始から二年半以上が経過する中、力による一方的な現状変更の試みはいかなる場所でも許さないという強い決意の下に、引き続き、G7を始めとする国際社会と緊密に連携しながら、ウクライナ支援と対ロ制裁を推し進めてまいります。
日ロ関係は引き続き厳しい状況にありますが、最大の懸案である北方領土問題については、政府として、四島の帰属の問題を解決し、平和条約を締結するとの方針を堅持してまいります。
一方、漁業や我が国周辺の安全に係る問題のように、日ロが隣国として対処する必要のある事項については、ロシア側への働きかけを含め、引き続き適切に対応してまいります。
北方四島交流訪問事業の再開は最優先事項の一つです。御高齢となられた元島民の方々の切実なお気持ちに応えるべく、特に北方墓参に重点を置いて事業の再開を引き続き強く求めてまいります。
以上の諸課題に取り組むに当たり、逢坂委員長を始め、理事、委員各位の御理解と御協力をよろしくお願い申し上げます。